
車を選ぶ時、ついつい外観デザインやエンジンの性能、装備の豪華さに目が行きがちですよね。
でも、ちょっと待ってください!
私たちが車に乗っている間、常に体に触れている「シート」の素材について深く考えたことはありますか?
シートの素材は、単なる見た目の問題ではありません。
実は、車の乗り心地、快適性、そして何年も使い続けたときの「耐久性」にまで、大きく影響する奥深い要素なんです。
「長距離運転で腰が痛くなるのはシートのせい?」「このシートって、どれくらいでへたっちゃうの?」
そんな疑問を抱いたことがある方もいるかもしれません。
この記事では車のシート素材が持つそれぞれの特徴と、それが乗り心地や耐久性にどう影響するのかを徹底的に解説します。
素材の選び方を知って、より快適で長持ちするカーライフを送りましょう!
1. 車のシート素材の種類とそれぞれの特徴

車のシートに使われる素材は多岐にわたりますが、大きく分けると以下の3種類が主流です。
ちなみにその3種類の派生のような素材も存在しています。
それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
ファブリックシート
最も一般的で、多くの車種に標準装備されています。
特徴
通気性が良いので蒸れにくく、夏は比較的涼しく、冬は座った瞬間の冷たさを感じにくいです。
肌触りが優しく、柔らかな感触で座り心地が良いと感じる人が多いでしょう。
体もシート上でずれにくく、安定した姿勢を保ちやすいです。合成皮革や本革に比べて製造コストが低いため、車両価格を抑えられます。
乗り心地への影響
クッション性が高く、体にフィットしやすい傾向があります。
長時間座っても蒸れにくいので、快適性を保ちやすいでしょう。
耐久性への影響
汚れが染み込みやすく、一度付くと落としにくいのが欠点です。
また、長期間の使用や摩擦で毛羽立ちや擦り切れが生じることもあります。
合成皮革シート(フェイクレザー、合皮)
本革に似た質感を持つ、人工素材のシートです。
特徴
見た目や触感が本革に似ており、高級感を演出できます。
飲み物をこぼしても染み込みにくく、拭き取りやすいので手入れが簡単です。
本革よりも安価で、手軽に高級感を味わえます。色や加工のバリエーションが豊富です。
乗り心地への影響
本革よりは通気性がありますが、ファブリックよりは劣る場合があります。
夏場は蒸れやすいと感じる人もいます。
滑りにくさはファブリックと同等か、ものによってはやや滑りやすいものもあります。
耐久性への影響
紫外線や経年劣化により、表面が硬くなったり、ひび割れや剥がれが生じやすいです。
特に乗り降りや運転中の揺れで擦れる部分は劣化が進みやすいでしょう。
また、熱がこもりやすく、夏場に長時間駐車していると非常に熱くなることがあります。
本革シート(レザーシート)
高級車に多く採用される、天然素材のシートです。
特徴
最高の質感と高級感があり、独特の光沢と滑らかな肌触りが車内を一気に上質な空間に変えます。
適切に手入れすれば、長期間にわたってその美しさを保ち、風合いが増していきます。
汚れが染み込みにくく、拭き取りやすいですが、乾燥によるひび割れを防ぐため専用のクリーナーや保湿剤でのケアが必要です。
乗り心地への影響
座った瞬間のフィット感や適度な硬さが特徴です。
冬は座った瞬間にひんやりと感じ、夏は合成皮革と同様に蒸れやすいと感じることがあります。
シートヒーターやベンチレーション機能があると快適性が増すでしょう。
耐久性への影響
適切なお手入れ(保湿など)を怠ると、ひび割れや硬化が進みやすいです。
日光や乾燥には弱いため、日よけ対策や定期的なケアが長持ちさせる秘訣です。
傷がつくと目立ちやすいですが、経年による「味」として捉えられることもあります。
その他
高級車や一部の上位グレードを持つ乗用車には上記の3種類の生地のほかに、自社開発や有名生地メーカーと提携した特殊なシート素材を使用している車種も存在します。
例えばHondaが開発した撥水・撥油に特化したファブテクトと呼ばれる特殊なファブリック素材はフリードやヴェゼル、N-BOXといった人気車種のファミリーカーとしての利用を想定したグレードに採用されています。
また、スエードと呼ばれる本革や合皮素材を加工した特殊な素材を使用している車種もあり、こちらはソフトな手触りや高い耐久性が特徴となっています。
これらはあくまで一例なのでもし気になった車種があれば、その車種にどんなシート素材が使われているのかを調べてみるのも面白いかもしれません。
2. シート素材が乗り心地と耐久性に与える具体的な影響

各素材の特徴を踏まえ、それが実際の乗り心地と耐久性にどう影響するのかを見ていきましょう。
乗り心地への影響
ファブリックやスエードはその摩擦特性から体がシートにしっかりとフィットし、カーブなどでも体がずれにくい「ホールド性」が魅力です。
一方、本革や合成皮革は滑りやすいため体がずれやすく、特に運転中に姿勢を安定させたい場合には、ホールド性の高いシート形状と組み合わせられることが多いです。
温度変化への対応
ファブリックは通気性が高く、座った瞬間の温度変化が少ないため、夏冬問わず快適に感じやすいです。対して本革や合成皮革は熱伝導率が高いため、夏は熱く冬は冷たく感じやすい性質があります。このため、高級車ではシートヒーターやシートベンチレーション(送風機能)がセットで装備されることが多いでしょう。
蒸れやすさ
長時間座る場合、特に夏場に気になるのが「蒸れ」です。通気性の良いファブリックは蒸れにくく快適ですが、合成皮革や本革は蒸れやすいため、汗をかきやすい方や長距離運転が多い方は注意が必要です。
耐久性への影響
経年劣化
ファブリックは毛羽立ちや擦り切れ、日光による色あせが主な劣化です。
合成皮革はひび割れや剥がれが起こりやすく、特に頻繁に触れる部分から劣化していきます。
本革は、手入れを怠るとひび割れや硬化が起こるので、適切なケアが必要です。
汚れやすさと手入れのしやすさ
ファブリックは液体が染み込みやすく、汚れが落ちにくい点が最大の弱点です。本革や合成皮革は拭き取りやすいですが、本革は専用のケアが必要です。
ペットや子供との相性
ペットを乗せる機会が多い場合、ファブリックは毛が絡まりやすく、合成皮革や本革は爪による傷が目立つ可能性があります。
子供を乗せる場合は、飲み物をこぼしてしまった時のことを考えると拭き取りやすい合成皮革や本革が手入れ面では有利です。
3. あなたに合ったシート素材の選び方

どの素材を選ぶかは、あなたのカーライフスタイルや何を重視するかによって変わります。
コストと実用性重視なら「ファブリック」
車両価格を抑えたい、通気性を重視したい、日常使いで気軽に乗りたいという方には、ファブリックが最適です。ただし、汚れやすさには注意が必要です。
手入れのしやすさと見た目のバランスなら「合成皮革」
本革のような高級感を味わいたいけれど、手入れは簡単に済ませたい、コストも抑えたいという方には合成皮革がおすすめです。
上質感と長期的な満足感を求めるなら「本革」
上質な空間でドライブを楽しみたい、本物志向の方には本革が最高の選択です。
定期的なケアは必要ですが、その分長く愛着を持って使えます。
シートヒーターやベンチレーション機能があれば、さらに快適でしょう。
4.まとめ

車のシート素材は、単なる見た目だけでなく、私たちの「乗り心地」や「快適性」、そして「車の寿命」にまで影響を与える、非常に重要な要素です。
シート素材は大きく分けてファブリック、合成皮革、本革があります。
それぞれ通気性、手入れのしやすさ、質感、耐久性に大きな違いがあります。
自身のカーライフスタイルや何を重視するかによって、最適な素材は異なります。
車選びの際は外観や性能だけでなく、ぜひシート素材にも注目してみてください。
実際に座り心地を試したり、それぞれの素材のメリット・デメリットを理解することで、あなたのカーライフがきっともっと快適になるはずです。
もし「自分にはどのシート素材が合っているんだろう?」と迷ったら、ぜひリバティにご相談ください。あなたのライフスタイルに合わせた最適な一台と、シート素材のアドバイスをさせていただきます。
