
車の燃費を良くしたいと思ったとき、多くの人が考えるのは
・燃費の良い車に乗る
・ハイブリッド車を選ぶ
・エコ運転をする
このあたりではないでしょうか。
実はもう一つ、燃費に関係する意外な部品があります。
それが「タイヤ」です。
最近はエコタイヤという言葉もよく聞くようになりました。
タイヤを変えるだけで燃費が良くなると言われることもあります。
でも実際のところ
・普通のタイヤと何が違うのか
・本当に燃費は変わるのか
このあたりは意外と知られていません。
今回はエコタイヤの仕組みと普通のタイヤとの違い、そして各メーカーの特徴について、車初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
エコタイヤとは何か

エコタイヤとは、一般的に燃費性能を意識して設計されたタイヤを指します。
日本自動車タイヤ協会(JATMA)が業界自主基準として運用するラベリング制度では、転がり抵抗性能が「A」以上で、ウェットグリップ性能が「a~d」の範囲にあるタイヤを「低燃費タイヤ」と定義しています。本記事では、わかりやすく「エコタイヤ」という名称で解説します。
タイヤは路面に接するたびに変形し、元の形に戻る動きを繰り返しています。このときに生じるエネルギーの損失が、転がり抵抗の主な原因です。
転がり抵抗が小さいほど、車を前に進めるために必要なエネルギーを抑えられるため、燃費や電費の改善につながります。エコタイヤは、ゴム材料やシリカなどの配合、内部構造、トレッドパターンを工夫することで、この転がり抵抗を抑えるよう設計されています。
普通のタイヤとの違いを簡単に言うと、燃費に関わる転がり抵抗を抑えることを、より重視している点です。
ただし、タイヤは転がり抵抗性能だけで選べばよいわけではありません。雨の日の安全性に関わるウェットグリップ性能も確認し、商品やタイヤサイズごとの違いを比べて選ぶことが大切です。
エコタイヤで燃費は変わるのか

タイヤで本当に燃費が変わるのか、気になるところだと思います。
結論から言うと、タイヤは燃費に影響します。
ただし、エコタイヤに替えれば必ず何%も燃費が良くなるというものではありません。効果は、交換前後のタイヤや車種、空気圧、運転方法、道路状況などによって変わります。
実際の車の燃費は、エンジンや車両重量、空気抵抗、タイヤなど、さまざまな要素によって決まります。その中で、走行時のエネルギー損失の一部は、タイヤの転がり抵抗によるものです。
JATMAの試算では、一般市街地走行でタイヤが燃費に関わる割合は7~10%とされています。ただし、エコタイヤに替えるだけで燃費が7~10%良くなるという意味ではありません。
タイヤだけで燃費が劇的に改善するわけではありませんが、日々の燃料消費を抑えるための一つの要素になります。タイヤは単なる消耗品ではなく、燃費にも関わる重要なパーツです。
タイヤの性能表示
JATMAのラベリング制度では、主に次の2つの性能が表示されています。
・転がり抵抗性能
・ウェットグリップ性能
転がり抵抗性能は「AAA・AA・A・B・C」の5段階で表示され、AAAが最も転がり抵抗の小さい等級です。
一方、ウェットグリップ性能は「a・b・c・d」の4段階で表示され、aが最も高い等級です。
タイヤを選ぶ際は、転がり抵抗性能だけでなく、雨の日の安全性に関わるウェットグリップ性能もあわせて確認しましょう。
主なタイヤメーカーのエコタイヤ

■ブリヂストン(ECOPIAシリーズ)
ECOPIAシリーズは、低燃費性能だけでなく、安全性能や長持ちしやすさなど、タイヤに求められる性能のバランスを重視しています。
静粛性や乗り心地などにも配慮されており、燃費だけに偏らず、日常での使いやすさを総合的に考えたい方に向いています。
■ヨコハマ(BluEarthシリーズ)
BluEarthシリーズは、低燃費性能を基本に、ウェットグリップ性能や走行安定性にも力を入れているのが特徴です。
街乗り向けから高速走行、ミニバンやSUV向けまで幅広く展開されており、車種や使い方に合ったタイヤを選びやすいシリーズです。
■ダンロップ(ENASAVEシリーズ)
ENASAVEシリーズは、低燃費性能とロングライフ性能を重視しているのが特徴です。
燃料消費を抑えながら、できるだけ長く使いたい方に選びやすく、雨の日の性能にも配慮した実用性の高いシリーズです。
■トーヨータイヤ(NANOENERGYシリーズ)
NANOENERGYシリーズは、低燃費性能とウェット性能の両立を重視しています。
日常走行に必要な基本性能を確保しながら、摩耗しにくさにも配慮されており、燃費と長持ちしやすさの両方を考えたい方に向いています。
■まとめ(メーカーごとの選び方)
各メーカーやシリーズには、それぞれ重視している性能があります。
同じシリーズでも、商品やタイヤサイズによって性能は異なるため、ここでは大まかな傾向を紹介します。
| メーカー | 主なシリーズ | 主な特徴 |
| ブリヂストン | ECOPIA | 低燃費性能や安全性能などのバランスを重視 |
| ヨコハマタイヤ | BluEarth | 低燃費性能やウェットグリップ性能などに配慮 |
| ダンロップ | ENASAVE | 低燃費性能やロングライフ性能などに配慮 |
| TOYO TIRES | NANOENERGY | 低燃費性能とウェットグリップ性能の両立を重視 |
・性能全体のバランス → ブリヂストン
・ウェットグリップ性能や走行安定性 → ヨコハマ
・低燃費性能とロングライフ性能→ ダンロップ
・低燃費性能とウェットグリップ性能の両立→ トーヨータイヤ
タイヤを選ぶ際は燃費性能だけでなく、
実際にはどの性能を重視するかで選ぶのがおすすめです。
タイヤは日常の快適さや安全性に直結する部分ですので、
使用環境に合ったものを選ぶことが大切です。
エコタイヤは元が取れるのか

エコタイヤを選んでも、燃料代の節約分だけでほかのタイヤとの価格差を必ず回収できるとは限りません。
どれだけ得になるかは、年間走行距離やガソリン価格、交換前後のタイヤ、実際の燃費の変化などによって変わります。走行距離が多い人ほど燃料代の差は積み重なりやすい一方、あまり車に乗らない場合は、価格差を回収しにくいこともあります。
ただし、タイヤの価値は燃費だけで決まるものではありません。商品によっては、雨の日の性能や長持ちしやすさ、静かさ、乗り心地にも違いがあります。
燃料代だけでは元が取れなくても、商品によっては長持ちしやすさや普段の運転の快適さまで含めると、選ぶメリットを感じられる場合もあります。価格だけでなく、自分の走行距離や使い方に合っているかどうかで考えるのがおすすめです。
実は見落としがちなのが空気圧

意外と見落とされがちですが、タイヤは空気圧によっても燃費が変わります。
空気圧が低い状態で走ると
タイヤが大きく変形しながら転がるため
転がり抵抗が増えてしまいます。
その結果、車を動かすために余計なエネルギーが必要になり、燃費が悪くなることがあります。
空気圧が不足している場合は、適正値に戻すだけでも燃費の悪化を抑えられます。
資源エネルギー庁の資料では、タイヤの空気圧が適正値より50kPa不足した場合、市街地で約2%、郊外で約4%燃費が悪化するとされています。
タイヤの空気圧は自然に低下するため、月に一度を目安に、ガソリンスタンドや整備工場などで確認しておくと安心です。
まとめ

エコタイヤとは
転がり抵抗を減らして燃費向上を目指したタイヤです。
タイヤだけで燃費が劇的に改善するわけではありませんが、燃料消費を抑えることで、燃料代や環境負荷の軽減につながる可能性があります。
また、商品によっては静粛性や乗り心地にも配慮されています。
タイヤは残り溝やひび割れなどの状態に応じて交換が必要になる消耗品です。
次にタイヤを交換するときは、エコタイヤも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
